臨床検査技師 国家試験対策 勉強法ノート

自己免疫

そもそも免疫とは「自己」と「非自己」を見分けて、非自己を排除する
機構ですが、このシステムに何らかの異常をきたして自己を攻撃して
しまうことが「自己免疫」ということになるのだと思います。

自己免疫の要因

 

 ・隔絶抗原の露出 
   トレランス(免疫寛容)の成立していない臓器(水晶体、精子)

 

 ・自己抗原の装飾
   赤血球膜変化 ⇒ CD4活性 ⇒ IL-6放出 ⇒ B細胞活性

 

 ・交差反応性抗原の侵入
   自己臓器と共通エピトープをもつ細菌等
   例)St.pyogenes 細胞壁M蛋白‐心筋
     リウマチ熱における心筋炎、弁膜症

 

 ・B細胞の活性化
   EBウイルスやGNR(グラム陰性桿菌)のLPS
   ⇒ B細胞活性 ⇒ Plasma cell ⇒ 自己抗体産生

 

 ・ヘルパーT細胞の異常
   IL-6放出 ⇒ B細胞活性 ⇒ 形質細胞 ⇒ 自己抗体産生

 

 ・サプレッサーT細胞の機能低下
 ・イディオタイプネットワーク異常
 ・免疫寛容(トレランス)異常
 ・アポトーシス異常(自己反応性クローンがアポトーシスを起こさない)

HLA抗原と自己免疫疾患

 

 HLA DR2 ・・・ SLE
 HLA DR3 ・・・ アジソン病
 HLA DR4 ・・・ 慢性関節リウマチ
 HLA DR5 ・・・ 強皮症、慢性甲状腺炎
 HLA DR8、27 ・・・ 強直性脊髄炎
 HLA DR51 ・・・ ベーチェット病

全身性(臓器非特異的)自己免疫疾患

 

全身性(臓器非特異的)自己免疫疾患
 膠原病と呼ばれ、結合織の膠原線維がフィブリノイド変性(膨化、硝子様変性)を起こす。

 

 アレルギーUおよびV型

 

 ・全身性エリトマトーデス(SLE)
抗二本鎖DNA抗体
    抗sm抗体
    LE細胞(好中球が他の好中球の核を貪食したもの)
    CH50低下 (C3、C4)
    クームステスト(+)抗赤血球抗体
    CRP高値
    RF高値
    クリオグロブリンの検出
    HLA-DR2に発症しやすい
    STSでBFPがみられる

 

 ・慢性関節リウマチ(RA) 
    RF 抗CCP抗体

 

 ・全身性硬化症(PSS):強皮症
    抗核抗体(Scl-70、U3RNP、RNAポリメラーゼ1)

 

 ・混合性結合織病(MCTD)
    抗U1RNP

 

 ・皮膚筋炎(DM)/多発性筋炎(PM)
    抗細胞質抗体

 

 ・シェ―グレン症候群(SJS)
    抗核抗体(抗SS-A、抗SS-B)

 

 ・リウマチ熱
    自己免疫疾患ではないが、膠原病

 

限局性(臓器特異的)自己免疫疾患

 

限局性(臓器特異的)自己免疫疾患

 

 

 

 ・慢性甲状腺炎(橋本病)
    U or W型アレルギー
    抗マイクロゾーム抗体
    抗サイログロブリン抗体

 

 ・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
    X型アレルギー
    抗TSH-R抗体(TSH様作用 T3,T4過剰分泌)

 

 ・原発性胆汁性肝硬変
    抗ミトコンドリア抗体(小葉間胆管炎)

 

 ・自己免疫性溶血性貧血
    抗RBC抗体(クームス試験)

 

 ・重症筋無力症
    抗アセチルコリンレセプター抗体

 

 ・特発性血小板減少紫斑病
    抗血小板抗体

 

 ・グッドパスチャー症候群
    W型コラーゲン(糸球体基底膜、肺)に対する抗体

 

 ・多発性硬化症
    ミエリンに対する抗体

 

 ・悪性貧血
    抗内因子抗体、抗胃壁抗体

 

 ・ルポイド肝炎
    抗平滑筋抗体

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