自己と非自己の認識
免疫システムの基になっているのが、自己と非自己(異物)の判断なのですが、
免疫システムは異物自体を認識しているのではなくって、自己を認識することに
よって自己以外(非自己:異物)を排除しているそうです。
そして、自己の認識は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC:major histoco
mpatibility complex)と呼ばれる遺伝子群によって決定されるタンパク質
(これをMHC抗原という)で、ヒトではHLA抗原(human leukocyte antigen)
と呼ばれている。
参考サイト ⇒ http://www.hla.or.jp/about/hla.html
HLA:human leukocyte antigen
HLAを決定する遺伝子群は「第6染色体 短腕上」に存在し、HLAには
「クラスT抗原」と「クラスU抗原」がある。
○ クラスT抗原(HLA−A・B・C)
・ヒトのほとんどの有核細胞に発現(赤血球にはない)
・α鎖とβ鎖からなる糖ペプチド
・CD8分子と親和性を示す
・リンパ球細胞障害試験で検出
○ クラスU抗原(HLA−DR・DQ・DP)
・マクロファージ、Bリンパ球、樹状細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、
胸腺の上皮細胞などに発現
・Bリンパ球に豊富、活性化Tリンパ球にも発現
・CD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT)に認識される
※CD分類は、ヒト白血球を主としたさまざまな細胞表面に存在する分子に
結合するモノクローナル抗体の国際分類。表面マーカーと呼ばれる。
血清学的タイピング・・・細胞障害試験
HLA−A・B・CはT細胞
HLA−DR・DQはB細胞
HLA-Dのタイピング・・・リンパ球混合培養法(MLC)
ハプロタイプ
HLA−A・B・C ・DR・DQ・DPの遺伝子を両親から各1組(ハプロタイプ)
受け継ぎ、ヒトは2組のHLAハプロタイプをもつ。
アロタイプ
免疫グロブリンの同種抗原性の遺伝的な違い。血清同種異型 serum allo
types。対立遺伝子によって決定されるヒト免疫グロブリンのγ及びαH 鎖と
κL 鎖の定常部領域(constant regions)内に存在する遺伝的なアミノ酸配
列の違い。
非自己(異物)が侵入すると、異物を取り込んだ細胞が異物の一部とHLAを
細胞面に提示し、これを認識した免疫細胞により異物の排除が行われる。
拒絶反応
拒絶反応
・細胞傷害性T細胞による直接傷害
・リンホトキシンによる細胞傷害作用
・抗体よる細胞傷害作用
・ADCC
・マクロファージによる作用
HVG(宿主 対 移植片反応) 抗原:移植片
GVH(移植片 対 宿主反応) 抗原:宿主(輸血、骨髄移植)