臨床検査技師 国家試験対策 勉強法ノート

ABO式血液型

【抗原発現遺伝子】
  第9染色体 長腕上

 

【血液型物質】
  糖鎖で分布は赤血球表面・体細胞全て・分泌液)

 

  H抗原(型物質) - フコース
  A抗原(型物質) - N-アセチルガラクトサミン
  B抗原(型物質) - ガラクトース

 

  A型 A抗原+H抗原
  B型 B抗原+H抗原
  O型 H抗原のみ

 

 分泌型   85%
 非分泌型 15% (唾液で赤血球凝集抑制試験)

 

【ABO型の割合】

 

  A型 B型 O型 AB型
日本人 40% 20% 30% 10%
欧米人 40% 11% 45% 4%

 

【遺伝】

 

  A型 B型 O型 AB型
表現型 AB
遺伝型

AO
AA

BO
BB

OO

AB
AB/O(※)

 ※例外) シスAB型 一つの遺伝子上にAB両方持つ。抗原少ない

 

ABO型 検査

【検査目的】
 輸血・移植・妊娠・疾病・個人識別・親子確認・・・

 

【検査原理】
 直接赤血球凝集反応(生理食塩法)

 

【検査結果の解釈】

 

 血液型判定にはオモテ・ウラ検査の一致が重要
 オモテ検査・・・型物質の検出
 ウラ検査・・・自然抗体の検出(規則性正常抗体IgM)

 

おもて検査

抗A

抗B

抗A+B

A型

B型

AB型

O型

うら検査

A血球

B血球

O血球

A型

B型

AB型

O型

ABO オモテ試験

【抗血清】
 ・抗A抗B (生理食塩水浮遊液orPBS)
 ・凝集素価 1:256以上、凝集時間15秒以内、寒冷凝集素や不規則抗体のないもの

 

【感度】
 スライド法 < 試験管法

 

【誤原因】
 ・亜型
 ・白血病、ホジキン病 (AorB型物質減少)
 ・後天性B (大腸癌等でB型物質増加)
 ・汎赤血球凝集反応 (全ての抗血清と凝集)
 ・直接クームス陽性血球 (自己抗体、免疫同種抗原の結合)
 ・キメラ (二卵性双生児 2種の血球を持つ)
 ・モザイク (突然変異 2種の血球を持つ)

ABO ウラ試験

【ABOうら試験は試験管法のみ】
 抗A、抗Bの凝集価が低い例もあるため、感度の良い試験管法で行う。

 

【O血球の目的】
 寒冷凝集素、不規則性正常同種抗体、連銭形成等があると凝集し
 他の結果判定があてにならないということ。

 

【誤原因】
 ・寒冷凝集素、不規則性正常同種抗体、連銭形成
 ・免疫抗体
 ・亜型
 ・先天性低(無)ガンマグロブリン血症
 ・新生児
 ・溶血

ABO亜型

【亜型】
 抗原決定基(エピトープ)の減少
 被凝集性の低下

 

 

 

血清中

唾液型物質

唾液型物質

 

抗A

抗A1

抗H

抗A

A1

2+

2+

w〜+

ない

A2

+〜2+

ない

反応弱

Ax

−〜w

2+

時々ある

ない

Am

2+

ない

 

【A2】
 エピトープ密度がA1の1/3〜1/5
 オモテ試験でA1との区別不可(スライド法で凝集遅い)
 抗A1レクチンとの反応(−)
 血清中に抗A1抗体が時に陽性
 ウラ試験でO型
 日本人0.2%

 

【A3】
 抗A1で大部分が凝集しない中に小凝集塊が混ざる
 血球被凝集価低い(A1-256、A3-8〜16)

 

【Bm】
 日本人で最も多い変異型
 オモテ試験でO型 ウラ試験でB型

 

【Oh】
 ボンベイ
 H型物質が血液・唾液中にない
 血清中に抗A、抗B、抗Hがある

 

 

オモテ試験

 

 

ウラ試験

 

 

 

抗A

抗B

抗H

A血球

B血球

O血球

ボンベイ

O型

 

※抗A1・・・Dolichos biflorus
※抗H ・・・Ulex europaeus

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