糞線虫
糞線虫
疾患
反復する下痢
髄膜炎、肺炎、敗血症（虫体播種による細菌やウイルス感染）
免疫不全患者で重症化
終宿主、寄生部位
ヒト小腸
感染源
フィラリア型感染幼虫
自家感染（肛門付近でフィラリア型の経皮感染）
生活史の特徴
寄生世代と自由世代の２タイプがある
フィラリア型の経皮感染‐血流‐気管‐食道‐胃‐小腸へ
♀小腸で単偽生殖により産卵‐粘膜内で孵化 ラブジチス型幼虫‐糞便中へ
ａ．直接発育
一部はフィラリア型感染幼虫として経皮感染 寄生世代の♀へ（自家感染もあり）
ｂ．間接発育
外界で自由世代の♂♀成虫へ 交尾産卵‐ラブジチス型幼虫‐フィラリア型
検査、診断
糞便、十二指腸液の幼虫
寒天培養法（直接塗抹、濾紙培養法）
顎口虫
有棘顎口虫、剛棘顎口虫、日本顎口虫、ドロレス顎口虫
疾患
幼虫移行症（長江浮腫 揚子江周囲、タイ、ビルマ、マレーシア）
有棘顎口虫・・遊走性限局性皮膚腫脹
他の顎口虫・・皮膚爬行症
終宿主、寄生部位
有棘顎口虫・・イヌ、ネコの胃壁
剛棘顎口虫・・ブタ胃壁
日本顎口虫・・イタチ
ドロレス顎口虫・・イノシシ
中間宿主
第1中間宿主・・ケンミジンコ
第2中間宿主・・ドジョウ、カエル、ナマズ、ヤマメ、アユなど
待機宿主 ・・ライギョ、鳥類
感染源
ドジョウやカエル、ライギョなどの生食 （第3期幼虫）
輸入ドジョウの５～10％に幼虫存在の可能性
検査、診断
好酸球増多
虫体摘出
鞭虫
鞭虫
疾患
基本的に不顕性感染
多数寄生・・腹痛、下痢、下血、貧血など
終宿主、寄生部位
ヒト盲腸
感染原
虫卵の経口摂取（30℃、３週で感染形）
虫卵
単細胞卵 50μm 両端に卵栓（岐阜提灯） 赤褐色
生活史の特徴
体内移行はしない
旋毛虫
旋毛虫
疾患
旋毛虫症（横紋筋の激しい痛み）トリヒナ
終宿主、寄生部位
ヒト、ブタ、クマ、イノシシ・・・肉食雑食動物 小腸粘膜
中間宿主
なし 終宿主と同じ
感染源
クマ、イノシシ肉
生活史の特徴
小腸粘膜 卵胎生により幼虫産出‐肝‐全身の横紋筋‐被嚢幼虫・筋肉トリヒナ
糸状虫（ミクロフィラリア）
バンクロフト糸状虫 （滑らかに湾曲な形状）
マレー糸状虫（細かいジグザグした形状）
疾患
バンクロフト糸状虫・・熱発作、リンパ節炎、象皮症、陰嚢水腫、乳び尿
マレー糸状虫 ・・熱発作、リンパ節炎、象皮症
終宿主、寄生部位
ヒト リンパ系
中間宿主（媒介：vector）
バンクロフト糸状虫・・イエ蚊、ハマダラ蚊
マレー糸状虫 ・・ヌマ蚊、ヤブ蚊、ハマダラ蚊
感染源
蚊の刺口より感染幼虫の侵入
生活史の特徴
蚊（感染幼虫）‐人体内リンパ系で成虫（卵胎生）が ミクロフィラリアを産出‐肺に
22時～４時に肺から末梢血中に出現し、蚊が吸血する‐感染幼虫に
検査、診断
夜間採血し末梢血液中にミクロフィラリアを確認
ギムザ染色